第14回 移民難民スタディーズ研究会 案内
なぜ難民を第三国定住で受け入れるのか ~(新)制度論からみた政策決定過程分析~
日時:10月22日(金)10:00~12:00
オンラインZoom
司会:佐々木綾子(欧洲冠军联赛_国际足球直播-投注*官网国際学術研究院)
報告者:橋本直子(一橋大学大学院社会学研究科)
報告概要
日本政府は2008年12月に、韓国は2013年施行の難民法において、難民を第三国定住で受け入れ始めることを正式に発表し、日本は2010年から、韓国は2015年から、毎年極めて少ない人数ではあるもののミャンマー難民の受け入れを進めている。そもそも、まだ管轄圏外にいる難民を受け入れる第三国定住政策は国際法上も国内法上も義務ではなく、また日本も韓国もいわゆる「伝統的移民国家」ではなく、さらに両国とも難民の受け入れについては長年消極的な姿勢をとってきている。にもかかわらず、なぜ両国が立て続けに新たな第三国定住政策を始めたのかは、学術研究上も実務的な意味でも、精緻に解明される必要がある。本研究は、両国の政策決定過程とロジックを、(新)制度論の代表的3理論(合理的選択制度論、規範的制度論、歴史的制度論)の枠組みを用いつつ、方法論としてはプロセス?トレーシング手法を使って、主に質的データを分析し、解明を試みるものである。
本研究の日本に関する部分は主に、2015年から2019年に日本財団国際フェローとして英国サセックス大学における博士課程研究として実施した調査研究に基づいており、韓国に関する部分は、2020年2月から上廣倫理財団の資金提供を受けて実施中のものである。(韓国については新型コロナウィルスの関係でデータ収集が予定より遅れているが、研究会までに判明した部分までで発表を試みたい。)